自転車とわたし その2

5:00 起床そして朝食
家族はまだ寝ている。朝の冷え込みが厳しい。外はまだ暗く、吐く息は白い。街は静かで、人の気配がなく、この世界で目を覚ましているのが自分だけのような気分なる。この妄想はある種の心地よさを運ぶ。街はまだ微睡んでいるがもうすぐ目を覚ますだろう。

パンの焼けた香りがする。前日から仕込んでいたパン・ド・ミの香り。妻と相談して買ったホームベーカリーはやはり正解だった。原材料はもちろん、添加物のコントロールができ、できたてのパン食べることができる。美味しさは言わずもがなだ。

次に必要なのはコーヒー。ポットでお湯を温めた後、85度くらいまで温度が下がるのを待つ。今日のように冷える日は深煎り、フルボディの豆を選ぶ。コーヒー豆をグラインダーで中細に挽き、お湯を注いでいく。湯を注いだ時の膨らみは、豆の鮮度がいいことを教えてくれる。

少しフライングして、珈琲が出来上がる前にパンをかじる。やはり出来立てにパンにものはなく、空腹は最高のスパイスだ。淹れたてのコーヒーの香りが一気に部屋中に広がる。そのせいで部屋全体が少し暖かくなったかのように感じる。寝起きの冷たい体に流し込む温かいコーヒー。至福の時。体少しずつ目を覚ます。

これに加え、自家製ヨーグルト150g、炭酸水、グラノーラ、オートミールを始めとした食物繊維が多めに入ったシリアル、そして牛乳150mlがわたしの朝食。

5:30 準備
残ったパンは、1cmほどの厚さでカットし、ブルーベリー、バターそしてピーナッツバターなどをそれぞれにたっぷりと塗って、サランラップに包む。これから出かけるライドへの補給食だ。天気予報を改めて確認し、ふさわしいウェアへと手際よく着替えていく。前日に充電していたライト、サイコンなどをコンセントから外し自転車に取り付ける。最後にタイヤの空気圧をチェックする。

5:45 出発。
やはり外は寒い。しかし10分も走れば体が温まることを体験的に知っている。一時的な寒さは、家にこもる理由にはならない。毎日の自転車通勤のおかげだ。怠け心が出る時もある。その時はこう自分に言い聞かせる。

「やった後悔よりも、やらなかった後悔のほうが大きい」。

私はいつもそうだった。ゆえにこの言葉は魔法だ。いとも簡単に僕を外に追い出してくれる。行く場所は決めてある。条件はいつもと違う場所あるいは違う体の使い方。見慣れた景色を捨て去ることで、新鮮さと驚きと発見が絶えず自分を待ってくれている。そしてその価値を信じている。「これまでに行ったことのない所」、「これまでにしたことのないトレーニング」これが行先と走りを決める条件。

10:30 帰宅
この時間には妻も娘も起きていて、彼女たちが僕を迎えてくれる。簡単な自転車の掃除、ストレッチをはじめとする体のケア、そして熱いシャワーを浴びてリフレッシュ。お風呂での読書も最高だ。あがってから僕の休日の第二幕が開ける。家族との時間だ。

12:00 昼食
家族三人で昼食を一緒に食べる機会は少ない。にもかかわらず、ライド後は妻が気を利かせてくれて、たいていはパスタ。僕の家ではフェットチーネが定番。僕のお気に入りだ。前日に飲み残した赤ワインがあればなお良しで、ソースに使う。

13:00 家族との時間
「家族サービス」という言葉は浅ましいと思う。この言い回しには、どこかに夫が家族に対してやってあげているという傲慢なニュアンスを嗅ぎ取ってしまう。「家族と過ごす」、これでいいじゃないか。外出することもあれば、家の中でゆっくりと過ごすこともある。妻が外出し、娘と二人で留守番の日もある。娘とのコミュニケーションは今のわたしにとってはとても大切な時間だ。あの笑顔は反則だろう。すべてが帳消しになってしまうし、僕をいとも簡単に幸せにする。

19:00 夕食
野菜たっぷりの鍋。後片付けが楽な上に、野菜をたくさんとれるため、妻のお気に入りだそうな。同感だ。時と場合によりお酒を飲むときもあれば、飲まない時もある。食後にコーヒーを飲むときもあれば、飲まないときもある。気分次第だ。

20:00 自由時間
自分の時間。一日の振り返りをする。日曜日であればウィークリーのレビューも合わせて実施する。この一日をやり遂げた時こそが、その日一日の勝利である。あとは力尽きるまでToDoをこなしたり、お気に入りの写真集を眺めたり、本を読み進めたり。

あまりに集中しすぎると24時を過ぎてしまうこともしばしばで気をつけなければならないのだが、これが平均的なわたしの休日。そして私は幸せを感じることができる一日の過ごし方のひとつ。

カテゴリー: 2018