JULIA BAIER / IN TUNE – VARIATIONS ON AN ORCHESTRA (2015)

JULIA BAIER / IN TUNE – VARIATIONS ON AN ORCHESTRA (2015)

JULIA BAIER : IN TUNE 03

本の情報

写真家 :JULIA BAIER
タイトル:IN TUNE – VARIATIONS ON AN ORCHESTRA (2015)
出版社 :PEPERONI BOOKS
出版日 :2015/10/01

レビュー

JULIA BAIERによるブレーメンのフィルハーモニーの写真集。撮影担当として帯同した当時、彼女はまだ学生であったらしい。やや淡いブラックアンドホワイト。ドイツのライカミュージアムで購入した思い出深い写真集でもある。立ち読みしてすぐに購入を決めた。この写真から感じ取れるもの、それは関係性。楽器と人の。人と人の。フィルとそれ以外の。

そして浮かび上がる演奏家の人としての振る舞い。そこには人間の姿があった。音を鳴らす前の、ステージにたどり着くまでの、演奏家達の時間。移動、練習、集中、休憩、没頭。

JULIA BAIER : IN TUNE 05

コンサートはいわゆる完成形であり言ってみたら商品だ。。そこに至るまでのプロセスは、当然ブラックボックスに包まれている。当然だ。我々は、完成した作品を堪能するだけだから。

ではそこに至るまでに、一体どんな時間は流れているのだろう。そんな疑問にしっかりとこの写真集はこたえてくれる。しかし当然ながらそれのみにとどまらない。

JULIA BAIER : IN TUNE 044

ここにあるのは赤裸々な人間の姿であった。演奏家として、同僚として、仕事として、人として、そして友人として。写真家がここに存在することを許されていることの寛容さ、親密さ、つまりこの写真家の優秀さ故だろう。

まるで美しい交響曲のように、絵が成立していて楽しい。白黒という選択はやはり正解だったのだと思う。ここに色があると情報量が多くなりすぎてしまうから。おかげで僕らは直感に従い、そのストーリーに耳をすますことができる。

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