長田弘 / 深呼吸の必要 (1984)

長田弘 / 深呼吸の必要 (1984)

長田弘 : 深呼吸の必要 (1984)

book information / 本の基本情報

著 者 :長田弘 (おさだひろし)
タイトル:深呼吸の必要
出版社 :晶文社
出版日 :1984年3月20日

review / レビュー

「ハッとする」。

これが私が詩を読む際に、感じることだ。

この「ハッとする」感覚はなんなのか。ふっと耳に息を吹きかけられるような感覚。つまり、予想しなかったささやかな驚きだ。なんの驚きか。すぐ側にあるのに気がつけず、それを教えられた時の驚きだ。詩は詩人にしか感じ取れない何かを乗せて語られる。詩人は、私たちには見えない何かを詩という形で提示する。本書でも著者が好きな詩人を形容して、

「誰にもみえていて誰もみていない、平凡な日々の光景から詩を、帽子から鳩をとりだすように、とりだした。」とあるがまさにそうだ。

瑞々しい感性と、研ぎ澄まされた文字たち。
発見に満ち満ちているが、文章は必要にして、最小限。
やわらかく、かろやかであり、すっと身体に入ってくる。

わたしが好きな詩は次だった。
1.星屑 2.賀状 3.贈りもの

忙しい日々にこそ、手に取りたい一冊。
忙しさの中にこそ、「深呼吸の必要」性があるはずだから。

なお、私はこの本を2011年に購入した。この詩集を手に取るまでに、およそ8年の歳月がかかった。今、このタイミングでこの詩集を読んだからこそ、私はこの詩集を存分に味わえている。そんな気がしている。

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